ストーカー気質な彼女は，甘い溺愛に囚われる。

ぱちくりと，大きな目で俺を見ている。

言われた言葉を，よく理解できていないようだった。



「友理，さん。陽深ちゃん，借りてもいい？　真輝は先帰ってて」



それから，一番大事なこと。



「陽深ちゃん，来てくれる？」

「えっ……ぁ，はい」



？を飛ばしているのが見える。

それでもうんと言ってくれた陽深ちゃんの手を，俺はそっと取った。

遅れて，周りがわーわーきゃーきゃーとざわめきを増す。

陽深ちゃんはきょろきょろと，困ったように見渡しながら，着いてきてくれた。