「ねぇ、みんな進路って決まってる?」

帰り道聞いてみた。

『決まってない』

瑠生以外が言った。

瑠生は組を継ぐことが決まってるもんね。

瑠生の意思だし。

「凛は決まってるの?」

「決まってないよ。大学行ってもしたいことないし、就職もこの職業につきたいとかないし」

決まらなかったら、橋本財閥で就職と思ってる。

「あ!就職と言えば、私明日からバイトするんだ!」

海が言った。

『バイト?』

「うん!」

「海、バイトするの?」

「家の近くのケーキ屋さんなんだけどね、奥さんが妊娠したみたいでバイト探してて、ママが仲良いから私にバイトしてみないって聞いてきたの。来年産まれるらしいから、卒業までの間バイトしようと思って」

「俺、初めて聞いたけど」

空も知らなかったみたいだ。

「じゃあ、放課後ずっとバイトなの?」

「ううん!シフトは自由に決めていいって言われたから、平日は放課後2日〜3日間と、休みの時は1日入る予定だけど、土日どっちかでいいって言われてるから凛がこっち来る時はなるべく休む予定!」

「そうなんだ!」

よかった。

毎日バイトだと、海と過ごす時間少なくなっちゃうし。

海がバイトの時は、白蓮の倉庫に行くようにしよ。

とくに土日は。

今日は白蓮の倉庫に行くので、駅でみんなとわかれた。