「凛ー。用意出来たか?」

「できたよー」

瑠生がるーくんと知って、2日が経った。

今日は、パパと出かける日。

どこ行くか知らないけど。

ママは行かないらしい。

「パパ、どれぐらいで着くの?」

「1時間〜1時間半ぐらいだな」

「じゃあ、寝てていい?」

「いいぞ」

昨日って言うか、朝方までTV見てたから眠い。

引きこもり生活になって、生活リズム狂ってきた。

朝ごはん食べてから寝ることもある。

目的地着くまで寝ることにした。

「…ん。凛」

「パパ?着いたの?」

「あぁ。着いておいで」

私は車から降りた。

そこは、見慣れた光景だった。

「ごめん、パパ。私、やっぱり車に…」

「いいから、着いておいで」

パパは私の言葉を遮った。

2ヶ月ぶりに来たけど、鮮明に覚えている。

この見慣れた光景。

ここは…

睡蓮の倉庫がある場所だ。

なんでここに連れてこられたの?

パパは、睡蓮の倉庫に向かって歩いていってる。

私はパパの後ろに隠れて歩いた。

心臓がドキドキしてるのがわかる。

どうしよう…

みんなに会ったらダメなのに…

私はずっと下を向いていた。

パパが足を止めた。

見なくてもわかる。

睡蓮の倉庫の前だ。

ドアは閉まってるようだ。

「凛」

パパに呼ばれ、私は横に並んだ。

パパがドアを叩くと、ゆっくりとドアが開いた。