「どうしたの?」

「何かあったのか?」

「え?」

「いや、元気ないなと思って」

凛の眉が一瞬下がったのを見逃さなかった。

「大丈夫だよ!」

けど、すぐ笑顔に戻った。

いや、正確には笑ってるが引きつっている。

「そうか」

心配かけないようにしてるのか、こういうしかない。

それか俺の気のせいだったのか?

次の日も様子がおかしかった。

やっぱり何かあったのか?

何を一人で抱えてんだ?

聞いても教えてはくれないだろう。

テスト最終日。

いつも通り倉庫に向かってる途中、凛を駅まで送った。

ん?

駅の前に、バイクが4台止まっている。

5人いるか?

周りの人もジロジロ見てる。

誰だ。

どこかの族か?

顔がハッキリと見えた。

あれは…!

俺は歩く足を止めた。

「どうしたの?瑠生」

凛が聞いてきた。

空たちも気付いたのか、足を止めた。

5人は俺達に近付いてきた。

やっぱりそうか。

「白蓮がこんな所まで何の用だ?」

族の中で全国トップの白蓮。

そして…

凛の兄が総長を務めるチーム。

弟は幹部のはず。

どうしてこんなとこまで?

今まで来たことなかったのに。

「妹を返してもらおうか」

凛の兄が言ってきた。

「妹?」

俺は知らないフリをして聞き返した。

俺の横にいた凜は、海の手を離し兄の横に。