カオルは「新しい服でも買いたいんだっけ?」と私に聞いてくる。
 私はカオルに「うん。カオルのも一緒に買おうよ」と提案する。

「そうだな。せっかくだから、ミクが選んでよ」

 そう言われるとなんか恥ずかしさがあるけど、私は「うん。選んでいいの?」と聞き返す。

「ミクが選んだ服、俺も着たいし」

 なんてカオルは、優しいのだろうか。こんなに優しい人と結婚した私は、きっと幸せ者だろうなと思う。

「じゃあ一生懸命、選ぶね」

「楽しみにしてる」

 カオルの服を選ぶなんて、多分初めてかもしれない。 こんなにワクワクした表情をするカオルを見ると、夫婦なんだなと実感する。

「よし、着替えて行くか」

「うん。 でも私、メイクしなきゃ」

 それを聞いたカオルは、「大丈夫。ミクはすっぴんでもかわいいから」と言ってくれるが、私は「やだ。すっぴんはカオルの前だけにしたいの」とカオルに伝えた。

「ミク、俺のことそんなに好きなのか?」

 カオルは嬉しそうに私に聞いてくるから、私は「分かってるくせに……聞かないでよ」とカオルについ言ってしまう。

「だって、ミクがかわいいからさ」

「か、かわいいって言われると、恥ずかしい……」

 カオルは私の頬に手を当て、「ミク、愛してる」と私の唇にキスをする。