「カオル……」

 カオルが優しすぎるあまり、私はカオルに甘えてしまっている。
 
「ミク……かわいい」

 おでこや頬にキスをすると、カオルは私の身体に優しく触れてくる。

「嫌だったら、すぐに言ってな」

「うん……」

 こういう行為なんてしたことない私は、緊張して目を閉じてしまいそうになる。
 カオルは私の髪を撫でながら、「ミク、目を開けて。大丈夫だから」と声を掛けてくれる。

「……ミク、怖い?」

 正直に言うと、怖くないと言ったらウソになる。

「大丈夫。……続けて?」

 でもカオルが優しく声をかけてくれて、 優しく触れてくれるから、怖さは少しずつ減っていく。

「……愛してるから、ミク」

「うん……あっ……っ」

 誰にも触れられたことのないこの身体に、カオルが……私の夫が、今触れている。
 
「かわいい、ミク」

「やだ……恥ずかしい……」

 カオルから、顔を背けたくなるけど、カオルがそれを許してくれない。

「恥ずかしくない。ミクはかわいいよ、どんな時も」
 
 甘い言葉を吐かれると、私はより緊張してしまう。
 とにかく恥ずかしさだけが残っていって、カオルとの行為に集中出来なくなりそうだった。