【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!



 結婚指輪のデザインがたくさんあるため、試着しながら選んでいく。

「ミク、決まりそうか?」

「ん……。迷ってる」

 結局選びきれず、迷ってしまう。

「俺はこれがいいと思うんだけど、どう?」

「これ?」

 カオルが選んだのは、シンプルなゴールドの結婚指輪だった。女性用はピンクゴールドで、一つついているダイヤが光り輝いている。

「俺はミクには、これが一番似合うと思うんだけどな」

「そう……かな?」

「ああ。これが一番ミクに似合うと思った」

 カオルがそこまで似合うと言ってくれるのは、正直に言うと嬉しい。

「……私も、これにしようかな」

「本当にいいのか?好きなやつ選んでいいんだぞ?」

 カオルにそう言われたけど、カオルが似合うと言ってくれたものにしようと思った私は、「うん、これにする。カオルが選んでくれたから」と答えた。

「そうか。じゃあ、これに決めよう」

「うん」

 結婚指輪はオーダーメイドになるため、日にちがかかるとのことだった。
 指輪を買った私たちは、ジュエリーショップを出て、再び歩き出す。

「カオル……指輪、ありがとうね」

「ああ」

 カオルは嬉しそうに微笑んでいる。

「ようやく、夫婦になる実感がする」