【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!



「ごちそうさまでした」

「食器はそこに置いといていいから」

「分かった」

 朝食を食べ終えた私は、歯磨きをしてから部屋に戻り、出かける準備を始める。

「とりあえずまずは、メイクからかな」

 いつも服を選ぶのにそんなに時間はかからない方なんだけど、やっぱりメイクに時間はかかるからメイクを先にしないと間に合わない。
 日焼け止めと化粧下地を顔に塗り、今人気のクッションファンデを叩き込むようにして広げていくと、ピンクのアイシャドウとブラウンのアイライナー、ブラックのマスカラを一通り塗る。

「こんなもの、かな」

 いつもこんな感じのメイクだし、別に変ではない気がする。

「……しまった」

 チーク塗るの忘れてた。カオルはいつもチークがかわいいと褒めてくれるから、欠かさずチークを塗るようにしてる。
 まあカオルにいいって言われたからって訳でも、ないんだけど……。かわいいって褒めてもらえるのは、悪くない。
 仕上げにメイクが崩れないようにミストを掛け、メイクは仕上がった。

 髪型は今日はそのまま下ろそうかなと思い、ヘアミルクを付けて馴染ませてからブラシで梳かしていく。
 今私の髪色はオリーブ色だけど、そのうちピンク色に染めたい。