姉のマユがマカロンを食べながらそう問いかけてくる。
「どうなの? 優しいの?」
「まあそうだね。 優しいよ」
そう答えると、姉は「やっぱりカオルくんが婚約者で良かったね、ミク。本当にお似合いだよ、あなたたち」と嬉しそうに笑う。
「ね、あなたもそう思うでしょ?」
「そうだね」
姉に問いかけられ、旦那さんも微笑んでいる。
複雑な気持ちになりながらも、「……ありがとう」と返事をしたけど、内心は複雑だ。
私の好きな人は今目の前にいるのに、手が届かない微妙な距離で。手を伸ばせば届きそうなのに、届かない。
本当にもどかしくなる。
「カオルくんと幸せになりなよ、ミク」
マカロンを口にして「うん」と返事を返したけど、カオルとの結婚をこんなに喜んでくれる姉と母には、申し訳ない気持ちになる。
カオルとの結婚に前向きになれずにいる私と、結婚して幸せになることを深く望む家族。
家族のためにも幸せになるべきだけど、本当に幸せになれるのか今の私には分からない。
ついこの間、婚約破棄をしたいと申し出たばかりの私を受け入れたカオルとの結婚は、うまく行くのか分からない。
でも愛される喜びを知れば、何かが変わるかもしれない。



