【完結】婚約破棄を望んだのに、なぜか愛で埋め尽くされそうです!



 そっか……。カオルもあの時の私と同じ気持ちなんだ。

「ミク、カオルさんには何でも話したほうがいいよ」

「え?」

「カオルさんは、ミクの全てを受け入れようとしてくれてるんだから、ミクもそれに応えないとダメだよ。 それが、夫婦になるってことだと思う」

 夫婦、か。……私はカオルと夫婦になるんだよね。
 全然実感がないけど、夫婦になるってどんななんだろうな。 姉は結婚していて幸せそうだけど、私には全然実感が沸かない。
 夫婦になるって簡単なことじゃないと思うけど、夫婦になれたらそれなりに頑張らないとだよね。

「私……自信はないな」

「ミクならきっと大丈夫だよ。だって、カオルさんに愛された女でしょ?」

「愛された女……?」

 そ、そう言われたらそうかも、だけど。

「カオルさん、他にも何人もの女性に告白されてたんだよ。でもね、ミクのことが好きだからって全員お断りしたんだよ? それは全て、ミクを愛するためなんだってこと」

 私を……愛するため。 それを聞いてカオルの本気が伝わってきた気がした。

「私……カオルのこと、大切にしなきゃだね」

「そうだよ。その逃げ道こそ、ミクの幸せになるんだからね」

「……ありがとう」