つむっていた彼女の目が開かれて涙目で上目遣いに見つめられた。黎のなかでその瞬間何かがキレた。

 誓いのキスで我を忘れてしまい、本気のキスをしてしまった。あまりに長い間彼女の唇を堪能しすぎて神父の咳払いで我に返った。

 父と母も、百合の父も呆れていた。黎は、やっと正式に百合を自分の妻とできて嬉しくてならなかった。

 結婚式のあとハネムーンへ行きたかったが、式も来年と最初言っていたので休みの予定がなかった。

 仕事も立て込んでいたので難しかったが、母がせめて一週間くらい、沖縄なら仕事で何かあっても日帰りで戻れるから行かせてあげたらと、父に話して急遽来ることになったのだ。

 ハネムーン用のヴィラで、それぞれが独立して敷地内に建物がある。もちろん、プライベートプール付きだ。

 おとといここに来てから、黎は彼女をベッドの中から出そうとしなかった。やっと彼女を本当に自分のものにできた喜びで毎晩百合を抱き潰した。