ピアニストは御曹司の盲愛から逃れられない


 「よし。じゃあとびきりの所へ連れて行ってやるよ」

 百合の頭を撫でながら話すと百合は嬉しそうに破顔した。

 「ホント?楽しみにしてる」

 そう言って抱きついた。黎は百合があまりに可愛くてその晩は抱き潰してしまった。
 
 お披露目会の直前。

 黎は静香とその友人を控え室に連れてきて先に百合と会わせた。

 「百合。静香が今後一緒のパーティのときは君のボディガードというか防波堤になってくれる。静香の取り巻きのこのふたりも味方になってくれるから女性だけのときは一緒にいるといい」