なぜだろう。
私ではダメだとわかっているのに、

志崎 奈々美

あなたはどうして私をこんなに、こんなに……


「ナナミといると、自分が、どんどん分からなくなる…」

ボソッと言ってしまった。

「それは、私も。」

穏やかな優しい顔で私を見ていた。
そんな顔をされたら、余計に分からなくなる。

あなたのことを知りたい。
あなたが隠している部分をみたい。
全部全部鎧を剥ぎ取って、全てを。


「ニカ、付き合ってよ」

「…私でよければ」

「私たち、今日から恋人ね」

「そうね」


恋愛とは、付き合うとは、


こんなに様々な感情が入り交じるものなのか。


いつか、あなたの化けの皮を剥がしてやりたい。



私の17歳の誕生日は、同級生の女の子と初めてのキスをかわし、その子と付き合う。

何か闇に覆われていくような。

そんな日だった。