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 彼氏を妹に奪われてから美月は、恋愛にうつつを抜かすこと無く勉学に励んだ。

 勉強、勉強、勉強の毎日。

 何も考えずにひたすらノートに文字を書き込み、数式を解き、記憶していく。

 無駄なことは考えない。


 恋愛なんて無駄なことは……。


 そんな生活をしていれば、自《おの》ずと成績は上がっていく。回りの評価は上がり、真面目で勤勉、でも地味。そんな印象を皆に与えた。反対に妹は勉強が出来なくても愛嬌を振りまき、人々が集まってくる。それはまるで光に集まる虫のようで気持ちが悪い。

 姉妹で全く正反対な私達。

 もう妹の引き立て役はゴメンだ。

 高校での成績が良かったため、私は日本でも有数の大学に合格することが出来た。実家から離れたこの場所に、私はあの日の事を忘れ、少し……ほんの少しだけ浮かれてた。

 サークルに入って、やりたいことをしよう。

 妹に振り回されるのはゴメンだ。

 少しずつサークルの人達に心を開いて、私自身を受け入れてもらおう。


 そして……。