「知ってる?都市伝説でさー、【うるおい鬼】の話があるって!」

「え?そうなの?【うるおい鬼】って、あの遊び?」



クスクス笑いながら、二人は話す。




「やってはいけない条件っていうのがあって、その条件を満たすとさ、本物の鬼が目覚めるらしいよ」

「マジ!?面白いじゃん、それ!!」





二人は顔を見合わせて、ニィッと笑った。





「……試しにやってみない?【うるおい鬼】」

「肝試しってこと?いいねー!!」









月の無い時に。

星無市立星無小学校の旧校舎で。

【うるおい鬼】をしてはいけない。







ほら、聞こえてきた。

暗闇から、あの声が。











「ねぇ、唄ってよ……」














      ーーー完ーーー