同窓会が終わった。
あれからずっと璃花子ちゃんにくっついていたから。
勇気くんのお母さんから話しかけられることも無かった。
小学校から出て、早く家に帰りたいと思っていたけれど。
「璃花子ちゃんと響ちゃんさ、ちょっと時間ある?」
と、岡本くんが声をかけてきた。
私は正直断りたい気持ちになったけれど、
「あるよ。響ちゃんだってあるよね?」
と、璃花子ちゃんの強引な返事のせいで、頷くしかなかった。
星無市の駅前のファストフード店のボックス席で。
璃花子ちゃん、岡本くん、仲谷くんと座っている。
「接触してきたね」
と、口を開いたのは岡本くんだった。
「うん。勇気くんのお母さん、響ちゃんを疑ってる」
と、璃花子ちゃんが頷く。
仲谷くんは眉根を寄せて、
「こいつが逃げるからだよ」
と、私を指差す。
「こいつとか言わないで。響ちゃんって言って!」
と、璃花子ちゃんが仲谷くんを注意する。