「えっ、怖い話?」
と、私は警戒したけれど。
「何、なに!?聞きたい、聞きたい!」
なんて、岡本くんと仲谷くんは身を乗り出した。
「男子は好きだよね?怖い話」
と、璃花子ちゃんもまんざらでもない表情をする。
勇気くんだけが私を気遣って、
「大丈夫?」
と、聞いてくれた。
私は無理やり頷いて、平気なふりをする。
「この間、ダンススクールで一緒の子に聞いたんだ。【うるおい鬼】って遊び、知ってるでしょ?小さい頃とかにやったじゃん?」
璃花子ちゃんはそう言って、私達一人ひとりを、順番に見る。
「【うるおい鬼】って目隠しする、アレ?はじめに、じゃんけんで負けた子が【鬼の子】になって、目隠しするやつ?」
仲谷くんは思い出すように言う。
岡本くんも「あー、懐かしいよなぁ」と言って、
「【逃げる子】は歌を唄うんだよな?【うるおい鬼の歌】!その歌を聴いて、【鬼の子】は【逃げる子】をつかまえる。歌声とかを頼りに【鬼の子】はつかまえた子の名前を言い当てる遊びだよな?」
と、続けた。