そして、朝になる。



だからといって、認識してほしいとか、そんなことはないのだけど。


***


放課後。
部活動には所属していないから、あとは帰宅するだけなのだが、素直に帰りたくはない。
家は居心地のいいものではない。
それにスマホ問題がある。


スマホが欲しいのだけれど、なにせお金がない。
まず、アルバイトをしなければならない。


思い立って、履歴書を買いにコンビニへ向かった。
その時ふと絆創膏に目が止まる。


「…………」


脳内には、いつも傷だらけの彼。
数秒間だけ買うか悩んで、手を伸ばした。


渡せるとは、思っていないけれど。
念の為、ね。

……なんて、誰に言い訳しているのか。


心の中で自問自答を繰り返しながら、会計を済ませた。
証明写真を撮り、近くの喫茶店へ入った。
履歴書を記入し、コーヒーを飲む。


そして壁に貼り付けてある“アルバイト募集”の紙を見てしばらく悩む。
雰囲気のいい店。時給も悪くない。
店員さんに声をかけていいのかも悩む。
いきなり「アルバイトしたいんですけど……」なんて伝える度胸はない。


頼んでいたコーヒーを1時間かけて飲み干した。


「…………」


うだうだ悩んでいても、仕方ない。
もうここへ来られないかもしれないけれど、私はお金を稼がなければならない。

普通ならスマホでアルバイトを探すだろうが、そのスマホがないんだ。
直接声をかけるしか道はない。


「あの……」
「はい?」


席を立って、同世代くらいの女の店員さんに声をかける。


「あれ……アルバイト募集してるって見たんですけど……」


張り紙を指さして話をした。


「ああ、アルバイトですか。少々お待ちください」

「はい……」


笑顔の素敵な店員さん。
私はきっと彼女のようには笑えないだろう。
そう思うと、途端にここで働けるか不安になってきた。
きっとホールで注文を取るより、厨房で料理をしている方が合っていそうだ。


間もなくして、先ほどの店員さんが戻ってきた。