初めてのバイトで緊張しているだろうに、いつものように俺の朝食まで用意してくれたようだ。
「忙しいのにありがとう。後でゆっくり頂くよ」
つむぎは無邪気に喜んだ顔をする。
彼女は俺の妻として一生懸命だ。
いきなり結婚し慣れない土地で緊張も多い中、新婚生活を楽しもうという気持ちが普段の生活からひしひしと伝わってくる。
そんな姿を見ると、おのずと支えたいという気持ちが湧いてくるし、俺も夫として何か出来ることはないかと思った。
今度はつむぎに手料理を振舞うのも、いいかもしれない。
俺が作った料理で、つむぎが喜んで美味しそうに食べる顔が見てみたい。
「――久斗さん、昨日はメッセージありがとうございました。寝る前に元気ができました」
「本当か? それならよかったよ」
自家用車で羽田へと向っている最中、つむぎは運転席に座る俺にそう教えてくれる。
昨晩は、なんだかつむぎとまだ話していたい気分だった。
彼女と話しているとフライト後の疲れを忘れたし、何より癒された気がしたのだ。
だからといって、自分があんなことをしたというのは信じがたいが……。
彼女が俺から離れて行こうとしたとき、無理やり引き戻してしまいそうになった。
普段のように余裕を持って「おやすみ」と言えればよかったのに、彼女との時間が名残惜しかった。
「久斗さんの制服姿、また見れると思うと嬉しい。あでも……お店に来るのは、私がもう少しお仕事に慣れてからにしてくださいね……?」



