エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


それからお風呂上がりの久斗さんといっしょに、用意していた夕食を楽しんだ。
「美味しい」とたくさん言ってくれたのも嬉しかったけれど、彼のヒューストンでの話を聞けたのも楽しかった。
ステイ先で、現地人と混じってランニングしたこと。
CAさんや副機長さんと一緒に行った、シーフード料理が絶品だったことなど。
彼の話を聞いていたら私までわくわくしてきた。それは久斗さんが本当に楽しそうに話してくれたからだ。

パイロットのお仕事が大好きなんだな、久斗さんは。

ふたりともご飯を食べ終わり、一緒に食器を片付けたりしていたら二十時を回っていた。
久斗さんと過ごす時間は、いつもあっという間に過ぎていくわ。
でも私には、まだ大きなミッションが残されている……。

茶碗を洗った直後に、隣でお皿を拭いてくれた久斗さんのほうを振り返る。

「久斗さんにお話ししなくちゃいけないことがあって。もう少し時間よろしいですか?」
「話したい事?」

ふたりでキッチンからリビングに戻り、ソファに腰かける。
隣りに座った久斗さんは、真剣な表情でこちらを振り返った。

「あの私、アルバイトを始めたいと思いますっ……!」