エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


面接を終えた後、マンションの下にあるスーパーで食料を調達した。

早く会いたいな、久斗さん。

数日ぶりに彼と顔を合わせる。イコール、今日は腕の見せ所ということ……。
家に帰ってすぐ、キッチンで夕飯の下ごしらえを始めていく。
献立は、枝豆の炊き込みご飯、カレイの煮つけ、オクラの浅漬け、みそ汁。
もちろん久斗さんに食べてもらう前提で丁寧に作る。
長い時間海外にいた彼を、和食でもてなしたい。

そして数時間後の十七時半――。彼からメッセージが一件届いた。

【つむぎお疲れさま。今から帰るよ】

絵文字も何もないけれど、久斗さんはいつもこうやって私に帰宅を知らせてくれるのだ。
些細な気遣いが嬉しい。
既に夕食も作り終わっている。お風呂も沸かし彼を迎える準備は完璧だ。

「アルバイトのこと、久斗さんにちゃんと言わないと」

ふぅとため息を吐きながらソファに座る。

久斗さんは長期フライトから帰ってきたばかりなので、明日はまるまるオフの予定だ。
私も本来であれば彼とお家で過ごせた。

でも久斗さんは、絶対に体が疲れているはず……。

まだ同居して間もないし、私が家に居ては落ち着けないだろうと考え、悩んだあげく初めてのバイトに入ることを決めたのだった。

そのままソファに座っていたら、いつの間にか眠っていた。
目が覚めたのは、ガチャッという玄関のドアの鍵が解除される音でだった。

「んん!」