短髪で肌が浅黒いガタイのいい男性が、すごい剣幕で部屋の中に入ってきた。
秋元さんと同じ服装をしているが、手にはお玉が握られていてどういう状況下できているのか分からない。
呆気に取られている私を、澄んだ切れ長の瞳がとらえた。
「はぁー、分かってるから静かにしてって! うちに入ってくれることになったスペシャリストが引いちゃうでしょ」
「スペシャリスト……?」
訝し気に眉を顰めた男性に鋭い眼差しを向けられて、たらりと冷や汗が流れる。
するとそんな私に気付いた秋元さんは、苦笑しながら彼を紹介するような素振りをし始めた。
「黒瀬さん……いや、つむぎちゃん! このゴリラみたいなのはバイトリーダーの矢代くん。まあ見た目も言動もちょっと怖いかもしれないけど、頼りになるから困ったら彼に質問してもらえると嬉しいわ。私は基本的にキッチンだから!」
「わ、分かりました」



