エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

「えっ、さささ採用? 私、ここで働けるんですか?」

展開が速い。
キッチンが第一希望だったので少々残念だが、それでも嬉しい。
すると秋元さんは、ため息をつきながら頭を抱える。

「正直、今すぐに店に立ってもらいたいくらい困ってるの。しかもあなた英語も中国語も話せるじゃない? 最近しゃべれる子が一気に辞めちゃって、本当にしゃべれない私たちが困り果ててるわけ」

コロナ過が落ち着き、外国人の観光客が戻って来て、英語を話す機会が格段に上がったようだ。
そこで他言語が話せる人を入れなければと、急遽私が採用となったらしい。

「ね、もし可能なら明日からでも――……」

秋元さんが言いかけたそのとき、ガラッと勢いよくバックヤードのドアが開いた。

「秋元さん、もう終わりました⁉ 早く来てもらえます? 人足りねぇっすよ!」