エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


「明日ですか!?」

急展開すぎて素っ頓狂な声をあげてしまう。
久斗さんに『バイトしたい』という話もできていないのに、勝手にひとりで話を進めるのはさすがによくないだろう。

「申し訳ありません……主人に相談してから、面談の日程を決めたくて」
『あ――……そうなんですね。分かりました。そしたらまたこちらから連絡しますので』

あきらかにトーンが落ちた声が聞こえてきて、思わず口を結んだ。
せっかく気にかけてくれたのに、このままだと面接にも進めないとかあるのかな。

「ちょ、ちょちょちょっと待ってください」

一旦秋元さんに断りを入れて、久斗さんが帰国する時間をメッセージアプリで確認する。
久斗さんが羽田に到着するのは、夕方の十六時。
面接が午前中であれば、彼が家に帰ってくる前にすべてを済ませることはできる。
実際に面接して受かる確証もないし、このチャンスを逃してしまえばビビッとくる職場が見つからないかもしれない。

「わ、分かりました! 明日の午前中に、そちらに向かうので面接をお願いしてもいいですか?」
「本当ですか! ぜひぜひ、よろしくお願いします」

暗い声色から一転して明るい口調になった秋元さんにほっとする。
勢いで事を進めてしまったけれど、最後はやっぱり久斗さんにお世話になりっぱなしは嫌で仕事を見つけたいという気持ちが後押しとなった。

久斗さんが帰国したら、全部説明しよう――。