「お待たせいたしました~! ワンプレートランチです」
店員さんの声に意識を引き戻され、顔を上げた。
小春さんは笑顔でやってきた料理をスマホに収め始めている。
「つむぎさん、食べないんですか?」
「えっ……あ、そうですよね!」
心がもやもやしているけれど、何事もなかったように料理を口にした。
小春さん、明るく接してくれているけれど私のこと本当はあんまりよく思っていないのかな。
それとも、ただ感じたことを言っているのかな。
だって今のように普通のときは普通だから……。
その後、小春さんは私にいろんな話を聞かせてくれた。
ご自身が勤めている広告代理店で、人気の俳優さんと一緒に仕事をしたこと。
まだ入社して一カ月で、大手のクライアントの担当になったことなど……。
「私、仕事が本当に好きなんです。やりがいもあるし、結婚しても仕事をし続けたいなーって」



