エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


小春さんの言葉がずしりと心にのしかかる。久斗さんにはお世話になりすぎているから……。

「ええ、本当に久斗さんには頭が上がりません。実家のホテルは久斗さんのおかげで、どうにか持ちこたえれそうで」
「なんでそんなに腰が低いんですか? お兄ちゃんの奥さんなのに」
「…………」

『奥さん』といっても、仮のもの。
今は『彼女』にまでもいっていない。私たちが本当の夫婦になるのは、まだまだずっと先だ。
そんなことは、彼女には決して言えない。

「もうお仕事は探してるんですか?」
「えっ?」

重い沈黙を破るように、小春さんは私に問う。

「まさかお家でゴロゴロしてるなんてことないですよね? いくらお兄ちゃんが優しくても、つむぎさんのご実家の状況を考えたら、仕事しないで悠々自適に過ごしている姿はよく思わないと思うな。誰がどう見ても甘えっぱなしに見えるし」

「ね?」と明るい調子で笑いかけられて、つい苦笑いをこぼしてしまう。
自分でもその自覚があるからこそ、小春さんの言葉が痛いほど刺さる。

久斗さんのために何かしたいと思っていたけれど、小春さんがいうように『仕事』なのかも……。