エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


翌日――。楽しみでわくわくしていたらすぐに小春さんと約束した時間がやってきた。
待ち合せ場所にやってきてすぐ、品川駅の中央改札を出てすぐのところにある時計台を見つける。

すごい人だわ。目が回りそう……。

人ごみをくぐりながら進んでいると、近くで「つむぎさん!」と高い声が聞こえてくる。

「! 小春さん」
「お久しぶりです。時間を作ってくださってありがとうございます」

小春さんは笑顔で私の前にやってくる。
以前見たときのように、今日も完璧な身なりで周りのひとが振り返るほどの美人だ。
先日会ったときより打ち解けた雰囲気で接してくれるので、少しだけ緊張が緩む。

「私がよく行くカフェレストランがあるんで、よかったらそこに移動しませんか?」
「はい、私カフェが好きなので嬉しいです」
「よかった!」

小春さんにつられて駅構内を出る。

「お兄ちゃんから一昨日急に連絡が来て。つむぎさんがこっちに来てるから遊んで来たらどうだって」
「やっぱりそうだったんですね。私のこと気を遣ってくださったんだわ」

久斗さんの優しさに心を温かくしていると、小春さんはくすっと笑う。

「普段は自分から連絡してくることなんて滅多にないんですよ。よっぽどつむぎさんが大事なんだと思います」