エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


「それが聞けて安心したよ。君はひとりじゃない、何かあったら俺に相談してほしい」

久斗さんはそう言って、私の顔を覗き込む。
距離がぐっと近づき、視線が絡んだ。

彼に見つめられることはとても恥ずかしい。
けれど本当はいつまでもその美しい顔を眺めていたいし、彼に見つめられることを嬉しく思っている自分がいるのも分かっている。

「そんな顔、他の男には見せるなよ。君は俺の妻なんだから」
「……っ」

久斗さんは微笑みながら、私の頭を撫でる。
呼吸が上手くできないまま、しばし時間が流れた。
長い指に髪を梳かれ、ふわふわとした感覚。これは一体、どういう感情の名前なんだろう。
そのまま自然と彼の桜色の唇に視線を奪われた。
しかしふいに彼の口角が上がり、はっと我に返える。

「つむぎ、ホテルまで送るよ。支度を始めようか」
「は、はい」

甘い時間が解ける。
久斗さんはそれ以上触れてくることはせず、私をホテルに送り届けてくれた――。