テレビのスイッチを入れるのかと思ったけれど、違うようだ。
閉まっていた目の前のカーテンが、自動で開き始める。
「わっ、すごい……」
大窓の向こうに広がる絶景に私は言葉を失った。
宝石のように輝く都会の夜景。東京タワーやスカイツリーまではっきりと映し出されている。
北海道の自然の美しさとはまったく種類が違う。
東京はたくさんの人がいてその多さを窮屈に感じたけれど、人がいるからこそ輝くその人工的な輝きに胸を打たれた。
すると隣に座っている久斗さんは私の方を振り返る。
「ここは飛行機もよく通るんだ。夜景を背景に飛んでいる姿が本当に美しくて……君にも見てもらいたかった。だから夜にわざわざ来てもらったんだが、あれだけ買い物に連れ回し、顔合わせにも行ってもらって。申し訳なかったよ」
「そんな! 申し訳ないなんて言わないでください。久斗さんと前よりもずっと仲良くなれてよかった」
「つむぎ……」
朝、札幌から羽田空港にやってきた場面から走馬灯のように頭に映像がかけめぐる。
好きな人とご飯を食べて、可愛い洋服をプレゼントしてもらえて。
彼の家族を通して知らない一面を知ることができた。
疲れなんて感じるほどがないほど、刺激的で幸せな時間だった。
「最後の最後まで東京の素敵な思い出を作ってくださってありがとうございます。私、久斗さんと暮らすこと……本当に楽しみです」



