エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

「寝室……ひ、久斗さんと一緒に眠る……」

久斗さんと同じベッドで眠るなんて考えたことがなかった。
そんな破廉恥な状況。
想像しただけでも、絶対眠れまい。
沸騰したように顔を赤くする私を見て、久斗さんは声を出して笑い始めた。

「あはは、やっぱりそう来たか。本当につむぎは分かりやすくて可愛いな。今の調子だったら体温が上がりすぎて倒れてしまうかもしれない」
「ひどいですっ……笑わないでください」

久斗さんが眦に浮かぶ涙を拭いながら笑うので、よけいに恥ずかしい。

「だ、だって……! 漫画では男女が同じベッドで眠るときはいつもよからぬことが起きます」

〝恋オン〟だって、恋のきっかけは一緒に寝たことから始まったのだ。

「ああ、そうだな。俺も男だ。美しい君を前にしてタダでは済まないだろう」

久斗さんがさらりと言いのけたので、どきどきと心臓が激しく動き始める。
そして鋭い瞳が穏やかな視線を私に送ってきた。

「だが俺は純粋なつむぎが好きだ。一緒に眠ることを無理強いなんてしたくないし、君の気持ちが動いたら一緒のベッドで寝ることにしよう。もちろん子作りもその延長線上にある」

「こ、子づくり」

「もちろん。本当の夫婦になれたなら、温かい家族を作りたい。俺のひとつの夢だ」