エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

既に彼の引っ越しは済んでおり、一週間前から住み始めているとも教えてくれた。

私との結婚生活のために用意してくれたことを嬉しく思いながら、カードキーで玄関の扉を解除した彼の後をついていく。

部屋に入って、簡単に部屋案内が始まった。

ここは3LDKの造りで、洗面所、お手洗い、シャワールーム、そして久斗さんの書斎、寝室、ひとつ私のために空けていてくれている十畳ほどの部屋。完全に衣裳だけを保管するドレスルームを見せてくれた。
実家の一軒家も広いが、インテリアにおける小物すべてが洗練されていてうっとりしてしまう。

最後に、一番奥まった場所にあるリビングルームにやってきた。
深い茶色がベースになったその部屋には、青々としたストレリチア・オーガスタが飾られており、より大人な雰囲気だ。
天井が高いのでカーテンが閉められていても開放感がある。

「これが契約内容をまとめた書類だ。先日君からメールでもらったNG事項を交えているからよく確認してもらい、問題がなければサインしてほしい。婚姻届けも今日記入してもらうがいいか?」
「はい、もちろんです」

ネイビーのL字ソファに久斗さんと隣り合って座ると、ローテーブルに彼は数枚の書類を広げた。