エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

「小春さん、初めまして」

小春さんの上品な笑みに、再び気が引き締まる。

さすが久斗さんの妹さん。芸能人みたいに綺麗だわ……。

小春さんの肌は雪のように白く、黒髪のボブがよく似合っていてミステリアスな印象だ。
顔の輪郭は丸みおび、瞳も黒目がちで猫のようだけれど可愛らしさもある。
鋭い印象の久斗さんとはまた、随分雰囲気が違うように感じた。

小春さんとの沈黙を破るように、哲也さんはハハッと笑い声をあげる。

「久斗は小さい頃から小春の面倒をよく見てくれていましてね。この子もそれはそれはすごく懐いていましたから、つむぎさんと結婚すると聞いて、焼きもちを妬いてしまうんじゃないかと心配していたんですよ」
「ちょっとパパ、恥ずかしいからやめてよ。私、もう二十二なのよ?」

落ち着いていた小春さんが、急に照れ臭そうな顔で哲也さんの肩を叩いたのでその場が和んだ。

「父さんは小春が引く手あまたなのを知らないだろう。俺のことなんて頭の端くれにもいない」