エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

「いいですね! ちょうどとってもお腹が空いていたし……すごく行きたいです」

照れ臭そうにお腹を抑え、つむぎははにかむ。

「じゃあ決まりだな。荷物持つよ」
「ええっ、そんな申し訳ないです! 自分の荷物なのに」

キャリーケースの持ち手を一向に離さない彼女に、少し困惑しながらも微笑みかけた。

「俺が持ちたい。妻に疲れさせたくないからな」
「……っ!」

俺の説得につむぎは顔を赤くして、手を離した。

「ごめんなさい慣れてなくて! よろしくお願いします」
「うん、じゃあついて来て」
「はい……!」

分かりやすく動揺する彼女は、微塵も計算高さを感じない。本当に男性の免疫がないようだった。

俺の『妻』という言葉に動揺したのだろうか。このような純粋な子と関わること自体が久々でやはり不安ではある。
いきなり一緒に暮らすというのは、なかなか難易度が高いのかもしれない。