***
つむぎと契約結婚を決めてから約一カ月後。
俺は札幌からやってくる彼女を、羽田空港まで迎えにきていた。
今日は、つむぎが初めてうちの家族と顔を合わせを予定している。
それが終わったら、一度自宅に当たる俺のマンションに彼女はやってくる予定だ。
既に到着時刻の十一時は少し過ぎているので、もうそろそろ荷物を持って出てくるころだろう。
国内線の到着ゲートのソファに座った直後、タイミングよく秘書の青木から着信がかかってきた。
「――……それで、話はまとまったということで間違いないな?」
『はい、この金額でなら受け入れるということで。用意しておいた契約書などの郵送の手配も進めております』
「分かった、詳しくは明日の朝会議前に教えてくれるか」
青木の了承の返事を聞き、着信を切った。
ようやく『八神渉』という大きなストレスから解放され、気が軽くなる。
八神渉は彼女をよほど気に入っており、俺に取られる形になったのが許せなかったのか、俺たちのの婚約破棄の申し出に、一向に首を縦に振ってはくれなかった。
あの男はこちらの要望を飲む条件として、法外な金額を提示してきた。
が、下手に対抗し争うことが体力と時間の無駄だと考え、俺はその条件を飲むことにした。
ただし金を用意するにあたり、父は俺にパイロットの職を予定より早めに辞し、経営者として貢献することを条件にした。
パイロットの職にやりがいを感じていたし、なるべく長く続けていたかったのが本音だが、このタイミングで辞めなくてはいけないというのも、きっと意味がある。
それに今は仮にでも、妻になる予定のつむぎを一番に考えることが大事だ。
これで朝宮ホテルの再建プランを一気に始動することができるのだ。
「あっ、久斗さん……!」
つむぎと契約結婚を決めてから約一カ月後。
俺は札幌からやってくる彼女を、羽田空港まで迎えにきていた。
今日は、つむぎが初めてうちの家族と顔を合わせを予定している。
それが終わったら、一度自宅に当たる俺のマンションに彼女はやってくる予定だ。
既に到着時刻の十一時は少し過ぎているので、もうそろそろ荷物を持って出てくるころだろう。
国内線の到着ゲートのソファに座った直後、タイミングよく秘書の青木から着信がかかってきた。
「――……それで、話はまとまったということで間違いないな?」
『はい、この金額でなら受け入れるということで。用意しておいた契約書などの郵送の手配も進めております』
「分かった、詳しくは明日の朝会議前に教えてくれるか」
青木の了承の返事を聞き、着信を切った。
ようやく『八神渉』という大きなストレスから解放され、気が軽くなる。
八神渉は彼女をよほど気に入っており、俺に取られる形になったのが許せなかったのか、俺たちのの婚約破棄の申し出に、一向に首を縦に振ってはくれなかった。
あの男はこちらの要望を飲む条件として、法外な金額を提示してきた。
が、下手に対抗し争うことが体力と時間の無駄だと考え、俺はその条件を飲むことにした。
ただし金を用意するにあたり、父は俺にパイロットの職を予定より早めに辞し、経営者として貢献することを条件にした。
パイロットの職にやりがいを感じていたし、なるべく長く続けていたかったのが本音だが、このタイミングで辞めなくてはいけないというのも、きっと意味がある。
それに今は仮にでも、妻になる予定のつむぎを一番に考えることが大事だ。
これで朝宮ホテルの再建プランを一気に始動することができるのだ。
「あっ、久斗さん……!」



