エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

父は私を囲む救急隊員に割って入り、腕を掴んでくる。

「……お父様、申し訳ありません。私、好きな人ができてしまいました」

深々と頭を下げると、私の腕を掴んでいた父の手が少しだけ緩む。
緊張はピークのままだが、思い切って再び久斗さんに視線を向けた。

「私、久斗さんのことが好きです」
「つむぎ……」

久斗さんは驚いた様子だったけれどすぐに冷静な表情に戻り、体を私に向き直った。

「キャプテン、失礼します」

しかしこのタイミングで、ひとりのCAが焦った表情で久斗さんのところにやってくる。
ふたりは専門的な話をした後、私たちに向けて軽く会釈する。

「申し訳ありませんが、私は行かなければなりません。後はよろしくおねがいします」
「っ」

久斗さんは立ち去り間際に私をじっと見つめた後、その場から立ち去っていく。
行っちゃった……。