エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む

「え?」

久斗さんの突然の言葉に動きを止める。
とりあえず、一年は式を挙げるのを保留にしていた。
私たちが本当の夫婦になれるのか未定だったからだ。

「結婚した事実は関係者に書面や口頭で伝えていたが、ちゃんとつむぎを紹介していなかっただろ? だから変な噂が立ってしまったというのもあるし、ふたりがいっしょにいる姿を見てもらえれば、どれだけ俺たちが本気で愛し合っているか分かるはずだ」

久斗さんの提案に胸が熱くなる。
ついに〝本当の夫婦〟として、私が妻の隣で表に立つことができるのだ。

「それから……朝宮ホテルのプロジェクトは順調に進んでいるから安心してくれ。航空チケットと朝宮ホテルを始めとする北海道の老舗ホテルに声をかけて、宿泊セットプランを作っている最中だ。旅行会社にも声をかけ、団体ツアーも積極的に組んでもらっている」

久斗さんはそう言うと、私の父が忙しそうにはしているがプロジェクトにいる大勢の関係者の人たちと仲良くやっていると教えてくれた。その話を聞いてほっと安堵する。

「久斗さんのおかげで、私は幸せになることができました」