エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


***


翌日――。

「つむぎちゃんすごいわねぇ、本当にお菓子作りが上手なんだ」

アルバイトに出勤した私は、予定通り手作りのチョコブラウニーを持っていく。
秋元さんに褒められて照れていると、ポンッと肩に大きな手が乗った。

「ありがとな、つむぎ」
「いえ! 矢代さん誕生日おめでとうございます……!」

昨晩の久斗さんの一件もあり、矢代さん以外のスタッフさんの分も多めに作っていき、平等に見えるように持っていった。
それにもともと矢代さんのお誕生日を祝いたくて計画したことなので、お手紙はつけさせてもらう。
内容は事細かくせずに簡素な内容にしたけれど……。

日ごろから口に出して感謝を伝えいけばいいわよねっ……!

私の手作りスイーツで盛り上がっているうちに、開店時間がやってくる。
今日はランチ時までのシフトなので、勤務時間が終わったら久しぶりにひとりで映画でも観に行こうかな、なんて計画している。

数時間後。ランチのお客さんが減ってきて、お店が落ち着いてきた頃だった。
カランカランッと音を立てて、お店の扉が開く。
すぐに案内するために駆け寄るが、目の前にたっているお客様を見て足が止まった。

「お久しぶりです、つむぎさん」