エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


久斗さんの物憂げな表情が色っぽくて体が熱くなる。
おやすみのキスであんなに動揺していた自分とは思えないくらい、自分が彼の唇を求めていることに気付いてしまった。

こんな私、知られたら嫌われてしまう……。

身支度を整えた彼と一緒に部屋を出て、再び玄関へと向かう。
彼はこれから深夜便でバンコクへと旅立つ予定だ。

「また連絡する。愛してるよ、つむぎ」
「は、い……」

ドアノブに手を掛けた彼の裾を思わず引いてしまった。
久斗さんは驚いたように僅かに目を開けた後、そっと私のおでこに淡いキスを落とす。

「行ってくる」
「!」

まともに彼の顔を見れずにいると、ぽんと大きな手が私の頭をひと撫でする。
ドアの向こうに消えてい背中を見て、切なくなった。

久斗さんに触れたいだなんて、私、おかしいわ――……。

胸もとに付けられた痕が疼いているような気がして、思わずシャツを強く握った。