久斗さんは唇が触れそうな距離で微笑みかけてくる。
いつもの優しい表情を見て安堵しつつ、全力で首を縦に振った。
よかった、このままだとどうにかなるとこだったわ……!
想いが通じ合ったのなら、触れ合いが濃厚になることはごく自然のこと。
その日はそれ以上のことはなく、私たちはいつものように身を寄せて眠りについた。
しかし――。
「これ、つむぎが作ったのか?」
「はい! 今日は先輩の矢代さんの誕生日なので、プレゼントしようと思って」
両想いになって数日後の夜。
夜のフライト前に身支度をしていた久斗さんが、ダイニングテーブルの上に置いてあった私の手作りチョコブラウニーに気付いた。
ネットで検索して見つけた可愛いデザインを自分なりにアレンジして、アイスバー風に作ったものだ。
デコレーションにはカラフルなチョコやキラキラのパウダーを使ってラズベリーや苺を乗せたりした。
「……すごいな。クオリティーが高い」
「へへ、頑張っちゃいました」



