「……っ!」
信じられない。
たしかに久斗さんは私のことをとっても大切にしてくれていたのは違いない。
でも一緒に生活している中で、そんな素振り微塵も感じてこなかった。
「わ、わわわ私、自信ないです。どうしてそんなふうに思ったのか、久斗さんはいつも余裕たっぷりで私をからかっていたりしてたし……」
すると久斗さんは私の右手をそっと引き寄せた。
「君の家族思いなところ、いつも一生懸命に人と向き合うところ。馬鹿正直なとこ……好きなところをあげたらきりがない」
真剣な表情でそう伝えてくれると、久斗さんは私の右手の甲に口づけながら、熱い眼差しをこちらに向ける。
「それに……さっき君が他の男と楽しそうに話しているのを見て、自分が激しく嫉妬していることに驚いたよ。まさかこんなところで自分の気持ちに気付くなんて思ってもみなかった。誰にも触れさせたくない、渡したくないと」
「……っ、久斗さん」
久斗さんのまっすぐな言葉の数々に、さらに動悸が激しくなる。
まさか彼も私と同じようなことを考えていたなんて……。
すると久斗さんは、唇からそっと私の手を下げる。
「もしかしたら初めから、つむぎを助けたいと表面上言っていただけで、八神から君を奪いたかったのかもな」
夢のような言葉の数々に、胸が熱くなる。
久斗さんから〝好き〟を貰えるのは、もっともっと先だと思っていたのに……。
「……嬉しいです」
そう口に出すのがやっとだった。
抱きしめられていた腕が離れていき、体を離した私たちは近い距離で見つめ合う。
「わ、私だって! さっき、久斗さんが急に綺麗なCAさんとふたりきりでお店に来たとき、すごく不安になったんですからね……っ。ふたりとも、すごくお似合いだったから」
「つむぎ……」



