エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む



「すごい風……っ! 綺麗ですね」

十七時すぎーー。
久斗さんに連れてきてもらったのは第一ターミナルの屋上にある天望デッキだった。
眼下に広がっているのは果てしない滑走路。多くの飛行機が、あちこちに停まっている。
見上げると、夕日を背景に飛行機が続々と離発着態勢に入っており、展望台にいた人々はその美しい景色をスマホに収めている。

「昔は疲れたとき、ここにきてぼんやりして過ごしていた。こうやって俯瞰して飛行機を見ると、しみじみとこんな大きな飛行機を毎日何百と飛ばしている俺たちの仕事はやりがいがあると……やっぱり辞めるべきではないと思えた」
「本当に、すごいお仕事だと思います」

聞いたことがなかった久斗さんの気持ちを知り、嬉しくなる。
すると彼は、滑走路に目を向けたまま微笑む。

「それにここからの景色は、君との再会を思い出すな」
「えっ……?」
「羽田空港に緊急着陸したときに、腰が抜けた君を俺がおんぶって走った」

振り返った久斗さんは、鮮明にあの日のことを思い出した私を見て微笑む。
そう……あのとき、私は久斗さんに大勢の人の前で告白しちゃったんだわ。
本当に大胆なことをしてしまったが、後悔はしていない。
こうやって今、彼といっしょにいられるのだから……。

「君に再会したとき、正直……俺は運命を感じた」