久斗さんは振り返って私に微笑みを向けてくれる。
「お疲れさま。ついさっき来たところだから気にするな」
「よかった……!」
私が退勤するより一時間早く、CAさんといっしょにお店を出た久斗さんは、第一ターミナル内にある事務所で着替えや退勤作業をし、お店まで迎えにきてくれたのだ。
羽田空港で待ち合せ、いっしょに帰るのは初めてで落ち着かない。
「今日はこれからどうしましょう?」
「そうだな……」
久斗さんは口をつむぎ、何か考えるような素振りをする。
そしてふと、私の方へ向き合った。
「前からつむぎといっしょに行ってみたいところがあったんだ。空港の中にあるんだが、いいか?」
「行きたいところ? もちろん、いいですよ」
全然見当がつかないけれど、久斗さんといっしょならどこでもいい。
空港の中のことはまったく分からないので、彼がどこに連れて行ってくれるのか楽しみに思いながら、私たちは歩き出した。



