エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


仕事を終え、帰ろうとする私のところに秋元さんはやってきて、腕を肘で小突いてくる。

「うう、すみません。本当に飛び切りカッコよくて困ってます」

正直に思っていることを伝えると、オーダーをとり終えた矢代さんも私の前にやってきた。

「つむぎのクセに生意気だな、あんなイケメンならもっとナイスボディな女だってものにできるはずだ」
「……っ、矢代さんひどすぎます!」

気にしていることを言われ半泣きになっていると、むにっと頬を摘ままれる。

「ま、お前人一倍真面目だし、一生懸命だからそういうところがいいのかもな」
「!?」

珍しく矢代さんに褒めれて驚いていると、「行け!」と背中を押される。
後ろを振り返るとふたりが笑顔で見送ってくれたので、自然と笑みが零れた。

みんないい人たちだし、仕事も楽しくなってよかったな。

お店の扉を開けて少し離れたところに、搭乗手続きのフロアに繋がる吹き抜けの階段がある。その付近で久斗さんが行き交う人々を眺めていた。

「久斗さん、お待たせしました……!」