エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む



私が職場に慣れ始めていることをほんの数日前に話したばかりだった。
そのときも喜んでくれて、私の頑張りを褒めてくれた。
ちゃんとそのことも踏まえて、すぐに会いに来てくれたことがすごく嬉しかった。

店内を見渡していると、顔を上げた久斗さんと視線がぶつかる。
本当にさり気なくだけれど、微笑みかけられて胸がきゅんとときめいた。

早くふたりきりになりたい。

契約結婚を結ぶときに、久斗さんが私の気持ち関して〝恋愛感情ではなく、自分に憧れを抱いているだけかもしれない〟と言われ何も言えなかったけれど、今ならはっきり違うと言い切れるだろう。

普段からもらう優しさや、肌の接触から得る胸のときめきもそうだけれど。
さっき久斗さんがCAさんといっしょにお店に来てくれたとき、私は激しく動揺したのだ。
彼が普段からいろんな人と関わっていると分かっていたし、それが当たり前だと思っていたのに、もしかしたら個人的に仲がいいのでは……と変な不安を抱いた。
なかなかいっしょにいれない私とは違い、空の上で長い時間共にできる彼女を羨ましく思った。

これが嫉妬というのね。

初めて自分の中に醜い感情があることを知った。
憧れだけじゃ、きっとそんなふうには思わない。

「……つむぎちゃん、あんないい男と結婚してるなんてずるいわ」