エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


「いらっしゃいませー! お待ちになるお客様は、こちらにお名前の記入をお願いします」

平日の十三時、羽田空港、第一ターミナルに店舗を構えるmineカフェ。
私はランチを求めてやってきたお客さんの行列の整理をこなしながら、同時にホールの仕事も行う。

「ふう、あと一時間……」

ピークが収まるまでの辛抱ね……。

店内に戻ると、すぐに矢代さんが私のもとにやってきて書き留めた伝票を渡してくれる。

「つむぎ、三番テーブルのドリンクを早めに。それとこの人たちは中国人のお客様で誕生日撮影もお願いしたいと言っていた」
「承知しました、五番テーブルさんの後に行きます」

テキパキとやり取りをこなし、それぞれの仕事に向かう。
ここに来て一カ月と少し。ようやく仕事にも慣れてきて、職場の人たちとも打ち解けてきた。
矢代さんは今も少しだけ怖いけれどだいぶ話せるようになった。
こうやって仕事が上手くいくようになったのは、久斗さんのおかげかもしれない。

『つむぎ、おいで』
『はい……』