逞しい腕が、しっかりと私を包み込んでいる。
「ひ、久斗さん?」
「抱きしめたくなった。嫌だったら言ってくれ」
「……っ」
しっかりと密着している体の逞しさに、呼吸が止まりそうになる。
彼の質問に答える余裕がなく震える手で抱きしめ返すと、久斗さんは片方の手で優しく私の頭を撫でてくれる。
「つむぎはつむぎのペースでやっていけばいい。それに、今の仕事が上手くいかなくたって君のよさはたくさんあるから」
「……っ、久斗さん」
久斗さんの励ますような言葉に、胸が熱くなる。
いつも彼は私をこうして支えようとしてくれる。
こんなふうに抱きしめられて、温かい言葉をもらったら……もっともっと好きになっちゃうじゃない――。
彼の鼓動の音を聞きながら、そんなことを考えていた。
目をつむり、しばらく彼の体温に身をゆだねる。
心臓の音は相変わらずだが、その心地よさに思わず目を閉じた。
ずっとずっと、こうして久斗さんに抱きしめられていたわ。
そう強く思った直後に、久斗さんの抱きしめる力が緩まっていく。
え……?
「つむぎに癒された。ありがとう」
夢の時間が解けてしまう。
もっと、久斗さんとこうしていたいのに。
「ま、待ってください……!」
彼の背中に回した手で、力なくシャツにしがみつく。
顔から火が出るほど恥ずかしいけれど、そうしなければ絶対に後悔してしまいそうだった。
すると久斗さんは一瞬動きを止め、再び私をしっかりと包み込んでくれた。
「今日は一緒に寝るか?」



