エリートパイロットは没落令嬢を惜しみない愛で包む


久斗さんに手を引かれ椅子に座る。
目の前に置かれているツナと水菜のパスタとコンソメスープを見たら、急にお腹が空いてきた。
勧められるまま、パスタから頂く。

「おいひい……」
「それはよかった」

久斗さんの手料理が食べられることはこの上ない幸せなのだけれど、同時に激しい罪悪感に襲われた。

「疲れてるのに料理まで作らせちゃってごめんなさい。あえて起こさないでくださったんですよね」
「謝ることじゃない。つむぎは仕事もしているし、家事はできるほうがやればいいんだ」

そう力強く言われ、胸がジンと熱くなる。
私、少し抱え込みすぎていたのかしら……?
久斗さんは微笑み、私の口に付いていたらしいツナを親指で拭ってくれる。

「それにつむぎの寝顔をもう少し見ていたかったというのもあるし」
「え!? そ、そんなに見てたんですか寝顔……!」
「可愛かったよ」
「~~~っ」

肩を揺らして笑っている彼を見て、羞恥心が込み上げる。
いびきをかいていなかっただろうか、口を開けていなかったか……色んな心配が一気に襲ってきた。
しかし久斗さんは、ふいに笑顔を消す。

「さっき、泣いていたのか?」