Cherry Blossoms〜思惑の交差点〜

「黒いリボンなんて、お葬式みたいじゃないか……」

リティクがそう言い、箱を見ていたオリバーが「こんな縁起の悪そうなもの、一花はプレゼントしないよ」と呟く。

「とりあえず、開けてみましょう？」

ナタリアがそう言いリボンを解こうとする。その手を素早く桜士は掴んでいた。突然のことにナタリアは驚いた顔を見せ、ヨハンが文句を言う。

「おい、何やってんだよ！」

「すみません。ですが、この箱の中身が安全なものかわかりませんので、ここは僕が開けます」

公安警察としての直感が、これは一花がeagleや自分に好意で贈ったものではないと警告している。ドクドクと心臓が嫌な音を立て、緊張して行くのが嫌でもわかる。桜士がリボンを外し、ゆっくりと箱を開けるとそこに入っていたのはーーー。

「スマホ？」

アルオチが首を傾げながら言い、ヨハンたちも「何で一花はこんなものを贈ってきたんだ？」と言いたげな表情をしている。