Cherry Blossoms〜思惑の交差点〜

「鍵って、もしかしてこれのことじゃないですか？」

桜士は画像を検索し、スマホの画面に映されたものを全員に見せる。そこにあったのは、ネックレスや指輪など数々の美しいアクセサリーを販売しているブランドの最新作の広告だった。鍵をモチーフにしたネックレスがそこには映し出されている。

「そのネックレスの写真、街頭モニターの隣にある看板で見たことがある。それかもしれない！」

クラウディオが興奮気味に言い、「そのネックレス、色んな場所の看板で見たことあるわ！」とアルオチも言う。

一人で考えていては解けなかった暗号は、こんなにもあっさり解けてしまった。そのことに桜士は驚きつつも、拳を握り締める。

（四月一日先生、待っていてください。必ずみんなであなたを助けますから！）



「うっ……ううっ……」

暗い部屋に置かれたベッドの上に一花は寝かされていた。その手足には鎖が巻き付けられ、ベッドの柵へ繋がれている。