君にかける魔法

修学旅行が終わり、通常の学校生活に戻っていく。
ほどほどに勉強して、 ほどほどにバイトして、たまに彼氏と遊んで。
至って普通の高校生活。
むしろ傍から見たら良い生活をおくっていそうに見える。

友人関係だって良好。
何が不満?
不満なんてなさそう?


本当の気持ち押し殺して生きて、


今の私は息がしにくい。





「もうすぐ地区予選か」
「はい、学校関係者チケット!」
「おぉっ」
チア部の大会は他の運動部みたいに大会が何度もある訳では無い。
年に数回のチャンスに全てをかける。

「モモも私と行かない?」
「私関係ないけど、良いの?」
「もちろん!」



チケットを1枚受け取った。
帰り際に『モモに見に来て欲しい』って言われちゃった…
その事が頭から離れない。
バイトも今日は暇だ。
ぼーっとしながら、運ばれてきた新しい商品を棚に並べていく。

「ソノ!」

「青葉さん!」

就活の帰りに青葉さんが寄ってくれた。
「今日シフト入ってるの見て、あとこの前クッキーありがとう!美味しかった」
「良かったです」

いつも通り優しい青葉さん。
最近この優しさ、笑顔を向けられると胸が少し痛むのは何故だろう。